twosanの忘備録

銭湯、旅行、乗り物とかが多くなるとおもう。

富山旅行1 2018年10月

いつからだろうか。旅行にワクワクしなくなってしまった。ワクワクしないというよりドキドキしなくなった。

中学一年生の夏、友達二人と長野県の上田に行く計画を建てた。大人のいないはじめての遠出。友達と電車やバスの時刻を調べ、乗り継ぎを検索している、その瞬間がとても楽しかった。前日からそわそわし始めて、眠れなくて、結局待ちきれなくて朝の3時くらいから友達と合流して、初電車に乗った。見慣れない電車から見える、見慣れない景色。テーマパークにいるような感覚。夢の時間はあっという間に過ぎ、帰宅してどっと疲れが出た。

そういうドキドキがいつの間にか無くなってしまった。というよりも求めていないのかもしれない。旅を「非日常の空間」として切り離すのがどうも苦手だ。中国の大連で、バイト先からの電話を受けている時、氷点下7度のロシアの小都市で大学の成績を確認している時、チェコのホテルで履修登録をしている時、そういった時間が結構好きなのかもしれない。世界を「見ている」のでなく、そこに「いる」という感覚。あくまでも冷静に。

テーマパークは外に出た時が恐ろしい。ディズニーカチューシャを付けたままでも、京葉線京葉線

金曜日は毎週夕方まで大学の授業があって、そのあとは東大和市で家庭教師のバイトをすると決まっていた。バイトが終わるのが22:30。中央本線を西に行き、北アルプスの麓、白馬まで行く夜行列車が立川を発車するのが24:30。東大和市から立川まではバスが通っていて15分ほどで行ける。立川で1時間以上は余裕があるからこの間に、土曜日提出の小レポートを終わらせよう。そんな完璧なスケジュールが建った。目的地は富山。翌朝に仙台から来る友達と合流する予定である。

出発当日。スケジュールは計画通りに終わった。あとは夜行列車で一晩過ごすためのアイテムを調達しにいくだけである。夜の立川。コンビニの入り口に張って、出入りする客を勧誘するキャッチ。やはりこの町はちょっと違う。以前、立川付近のバスに乗った時に、床で半寝しているカップルを見たことがある。遠くに行かなくても十分に非日常の空間だ。

20分ほど遅れて夜行列車、ムーンライト信州号が立川に入線。ここで新宿から乗車している友達と合流する。友達もビールやらハイボールやらを買い込んできた様。車内はそこそこ埋まっているが、満席という感じでは無く、八王子で下車する人もいる。その後も車内の電気は消えることなく、甲府を過ぎても山間の駅にいくつか停車していく。大きなリュックを背負った登山客がポツリ、ポツリと降りていき、塩尻に着く頃には大分空席が目立つようになった。

f:id:twosan23:20190703061322j:plain

クルテクは夜も元気!

f:id:twosan23:20190703061411j:plain

塩尻駅で一休み。

塩尻を過ぎて、ムーンライト信州号は中央本線を離れ篠ノ井線大糸線へと向かう。少しずつ空が明るくなってくると、深夜テンションも切れ、頭が寝る寝るモードに入ってくる。しかし寝る寝るモードの時に、寝るタイミングを逃すと今度は、なんだか眠くないような気がするモードに入る。気が付くと車窓から、美しい木崎湖が見え、あっという間に白馬駅に到着してしまった。結局ほとんど寝れなかった。

白馬駅から北上する列車はまだしばらく来ない。そのため一旦下車し、白馬を歩くことにした。まだ薄暗い町を歩いていると、向こうに川が見える。今度はその川に沿って歩くと、少し開けた場所に出た。その場所で横になって、日が出るのを待つ。だんだんと山の稜線が見えてきた。そして陽が昇り切った時、険しくて実に雄大なアルプスに圧倒された。もうすっかり眠くない。

f:id:twosan23:20190703063358j:plain

f:id:twosan23:20190703063452j:plain

白馬駅

駅前で朝からやってる蕎麦屋を見つけ、朝ごはんを食べる。月見そば、なかなかうまい。白馬駅には南小谷行の電車がすでに到着しているようだ。2両編成のワンマン電車は時刻になるとベルも鳴らさず発車した。

f:id:twosan23:20190703063938j:plain

電車は新潟方面へと向かう。